インドの携帯電話事情
インドの携帯電話マーケットが熱い
ITU(国際電気通信連合)の調べによると、インドの固定電話の普及率は・・・3.37%。ちなみに日本での普及率は、年々、微減してはいるものの40.04%あります(いずれも2007年度数値)。
IT、ITと騒がれながらも、未だ通信インフラが整備されていない状況にあるインドの一面が見えてきます。
ところが、携帯電話に目を向けてみれば・・・・・・数年前から、恐ろしいほどの爆発的な勢いで普及しています!
インドの携帯電話市場の成長スピードは、世界で最も早い地域の一つと言われ、世界から大きな注目を集めています。
携帯電話の累計加入者数は、2008年9月末現在、3億1,531万人! アメリカを追い抜き、中国に次いで世界第2位の加入者数を誇っています。
しかも、です。加入者数の増加の速度をみれば、すでに中国を追い抜いており、月間の増加者数は、ナナナント、毎月900~1,000万増という驚異的なペースに達しています。
月間900~1,000万人新規加入ですよ!
それでも、約11億2987万人もの人口を抱えるインドでは、携帯電話の普及率は20%強にしか過ぎません。
ある調査レポートによると、人口の約7割を占めると言われる地方では、携帯電話の普及率は未だ約2%だそうです。
インド政府は、2010年までに携帯電話の加入者数は5億人と予測しています。
2011年度末の加入者は6億9,056万人に達し、普及率は58.13%に上昇すると予測している調査機関もあります。
だからこそ、インドの市場が持つ潜在性に世界中のテレコミュニケーション関係者が熱い視線を注いでいるというワケです。
インドの携帯電話方式
インドで使われている携帯電話には、GSM方式とCDMA方式の二つがあります。
シェアを見ると、GSM方式が約74%、CDMA方式が約26%となっています。
さらに細かく見ると、GSM方式の最大手はBharti Airtelです。次いでVodafone Essar。さらに、BSNL、IDEA、Aircel、Reliance Telecom、Spice、MTNL、BPLの順になっています。
一方、CDMA方式の最大手のキャリアはReliance Communicationsです。次いでTata Indicom(Tata Teleservices)、BSNLとなっています。
とにかく熱い熱いインドの携帯電話市場。当然、各社とも熾烈な顧客獲得作戦を展開しており、結果、 通話料金は世界最低レベルにまで下がっていると言われています。
インドでの平均的な国内通話料は、1分間1ルピー程度だそうな・・・・!
国際電話にしても、1分間30ルピー以下でかけることができます。 これが、SMS(ショート・メッセージ・サービス)となると、もっと安く送ることができます (インドに限らず、携帯電話の使用は、通話よりもSMSの送受信がメインという国が多くあります)。
今現在、インドの携帯電話で一番ホットなテーマは3Gサービスです。携帯電話キャリア各社とも、3Gサービスによるデータ収入にかける期待は、かなり高いようです。
携帯端末機とキャリア(通信サービス提供会社)
インドの携帯電話は、携帯端末機とキャリア/通信サービス提供会社は別々になっています。
日本では、ドコモのサービスを使いたければ、コモ系列の端末を購入しなければなりません。 し
かし、インドではまず携帯電話の端末を購入し、次いで利用したいキャリア(通信サービス提供会社) のSIM(Subscriber Identity Module)カードを購入します。
購入した携帯電話端末機にSIMカードを挿入して通話が可能!となります。
料金の支払い方法には、プリペイド方式とポストペイド(後払い)方式の2種類あります。旅行者なら、迷わずプリペイド方式で決まりです。
新規購入したSIMカードには、一定の度数が入っており、その度数を使い切った場合は、プリペイドカードを購入して、その通話度数を読み込みこむことで、同じ携帯電話番号を使い続けることができます。
携帯電話端末機の人気メーカーには、ノキア、サムスン電子、ソニーエリクソン、モトローラなどがあります。
ちなみに、インドでは中古の携帯電話端末機を扱う店が非常に多くあります。最新機能を必要としないなら、中古携帯電話屋を利用する手もあり、だと思います。
インドの携帯電話は、GSM方式が人気ですが、国・地域によって使用する周波数が異なります。
インドでは、900 MHzと1800 MHzの周波数帯域が使われています。実は、インドに限らずアジア各地域、そしてヨーロッパでも、900 MHzと1800 MHzが使われています。
ちなみに、アメリカでは1900MHzが使われています。
そこで、もしインドで携帯電話端末を購入することを考えているならば、900 MHzと1800 MHzに加えて、1900MHzも使用できるTrai Band機(GSM900/1800/1900)と呼ばれる携帯端末機を選択してはどうでしょうか。
SIMカードを入れ替えることで、ほぼアジア全域+ヨーロッパ+アメリカでも使用できるはずです。
気になる携帯端末機のお値段ですが、もちろん機能によってかなり差があります。
カメラ、メール、ネット、TV視聴というフルセット機能の高級機ともなれば、1万ルピー(日本円で約3万円)ほどします。
カメラやメール機能がある携帯端末機ならば、3,000~6,000ルピー(約10,000円~20,000円)がザックリとした目安のようです。
さらに余分な機能は入らない! 通話だけできればよい! というならば1000ルピーを切るものもあるようです。だいたい2500円といったところです。
SIMカードの方ですが、最近は、99ルピー(約300円)のSIMカードで1ヶ月着信可能、約200分まで発信通話可能というSIMカードなどが人気を呼んでいるようです。
携帯電話会社/キャリア/通信サービス提供会社 - リンク集
- Bharti Airtel
- インドにおける携帯電話会社の最大手、Bharti Airtelの公式サイトです。 Airtelのブランドネームで携帯電話サービスを展開しいている他、iPhone 3Gサービス、 固定電話、Digital TVなども展開しています。
- Vodafone India
- インドにおけるVodafone の会社、Vodafone Essarの公式サイトです。 2008年8月からは、iPhone 3G サービスも展開しています。
- BSNL
- インド政府系の電話会社、BSNL(Bharat Sanchar Nigam Limited)の公式サイトです。 固定電話ではインド最大のシェアを誇っていますが、携帯電話のサービスも展開しています。
- Idea Cellular
- 1995年に設立された携帯電話会社、Idea Cellularの公式サイトです。
- Aircel
- チェンナイに本拠地を置く携帯電話会社、Aircel Limitedの公式サイトです。 プリペイド&ポストペイドのGSM 方式の携帯電話サービスを展開しています。
- Reliance Communications
- CDMAサービス、GSM サービス、およびブロードバンド・インターネット・サービスを展開しています。
- MTNL(Mahanagar Telephone Nigam Limited )
- インド国営の電話会社、Mahanagar Telephone Nigam Limited の公式サイトです。ムンバイ/Mumbai、ターネ/Thane、ニュー・デリー/New Delhi、 ナヴィ・ムンバイ/Navi Mumbai で 固定電話サービスを展開している他、インドで初めて携帯電話の3G サービスを開始。
- Tata Indicom
- Tata Group系の携帯電話会社、Tata Teleservices Limited のサイトです。 CDMAサービス、GSM サービス、およびブロードバンド・インターネット・サービスを展開しています。